3人が本棚に入れています
本棚に追加
……!
まどろみから覚醒すると、嫌が応にも現実を見せつけられる。
ママのあのか弱い首は紫色をしていた。長い間、脳に酸素が届かなかったせいで、ママはまだ目を覚ましてすらいない。
下半身に神経の障害が出る可能性がある、と言われた。理解が追い付かない。パパのお葬式を行ったばかりなのに、ママまでもし死んでしまったらと思うと胸が痛んで息苦しくなる。
サツキたちも、私は殺せなかった。私たち家族をめちゃくちゃにした癖に、のうのうと生きているのが、許せない。
「真鶴さん」
人のよさそうな看護士の女性の声が聞こえた。
「そろそろお時間です」
「……はい」
薬漬けで痩せた私の腕では、ママをこうした奴らも懲らしめられないなんて。
私は罪を背負って、更正施設に入る。
「ママ……バイバイ」
私は両脇を固められ、病室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!