道端の石はかく喋る

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 ナツの悲鳴が耳につく。自分の声がどれだけ耳障りで、どれだけ私の殺意と憎悪を募らせるか、この女は知るべきだ。  ーーでも、まずはこいつを……殺さなければ。 「ねぇ、サツキ」  清々しいまでの形勢逆転。雰囲気だけリーダーぶってたあの女番長が、そのギャル髪がぺちゃんこになるほどの血を頭から流して私に跪いてる。 「ミキ、やめなさいよっ」  ナツ、あんたはいい加減黙れ 「サツキがミキを仲間に入れたお陰で、ミキはあのことが、」  最後まで言わせやしない。  あのことがバレそうになったとき、揉み消してやるなんていう甘言に負けた私がーー憎らしくて、嫌いだ。そんな私の道連れになれ!  ……当たり所がよかったのか?  私は道端の大きな石をもったまま一瞬呆けてしまった。ナツは意識を失って倒れ、そのまま血溜まりが広がっていく。  綺麗だと私は思った。  天使の輪のように、頭から同心円上に広がる血に私は言い放つ。  せいぜい死後の世界では、サツキじゃなくて私に仕える奴隷になればいい。
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