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野球部では投手をやっており、体力には自信のある勝元であったが、さすがに限界に達したようで、そのまま気を失うように、眠りに吸い込まれていった。
勝元は夢を見ていた。
正確には夢なのか、現実なのかわからない状態にいた。
祖父の道場にいるのだが、初めて見る、いかにも厳格そうな壮年の男と対峙していた。
お互いに打柄(この物語では練習用の槍の呼び名。)を使い、既に何十回と打ち合っていた。
壮年の男は、そこで初めて口を開いた。
『その若さで、わしとここまで打ち合えるとは、たいしたものじゃ。』
『己の力を試してみよ。』と言いながら、勝元の鳩尾に鋭い突きの一撃を食らわせた。
勝元は、どこかへすっ飛ばされたのではないかと思うほどの衝撃を受け、再び意識を失った。
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