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「シャーロックはどう思う?この逸話」
すると、彼はまるで外国人のように、肩をすくめてみせた。
まあ、あいつはハーフだけど。
「さあな。
貫通さえしてさえいなければ、失血することはないから、しばらくは歩けるかもしれない。
だけど、何年も昔の話だから、一時間という時間が曖昧だし、そもそも死人の証言だから信憑性はない。
だから、ここで俺が言うべき模範解答は…わからない」
ボソボソと答えた彼の目は少し潤んでいて、ちょっとだけほおも赤かった。
「…お前、風邪引いたのか?」
「…?」
眉をひそめて紙コップを傾けようとした彼のおでこに、純がそっと手をかざした。
その姿に少しショックを受けている間に、彼女は冷蔵庫の中から氷水を持ってきた。
「ちょっと熱中症になっているかもしれないね」
シャーロックは手渡された氷水を飲んでゆっくりとため息をついた。
その姿を見て、母親担当の蘭が心配そうに彼の顔を覗いた。
「もう帰れば?
ほら、外だって…」
そう促されて見た窓の外では、残念なことに雨が勢いよく降っていた。
「…ババ抜きと神経衰弱。どっちがいい?」
シャーロックがほぼ放心状態でみんなに尋ねると、忍が思いっきり手を挙げて叫んだ。
「神経衰弱は嫌!!」
…だろうな。
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