ある酒場の物語

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「もう靴屋はやらないのかい?」 「もうやってられねえ!ジュリーが居なくて人生なんか!」 「君の生き甲斐だったもんね。」 「他にはいい思い出なんてねえよ。ジュリーだけだ。」 ロミオはまた、注がれた酒を呑んだ。 「僕にも色々な思い出があるよ。彼女もその一人だ。」 ロミオはまた吹き出した。 「本当に生意気だな!わっ!」 気付いたら酒場には色んな人が酒を呑んだり、料理を食べたりしていた。 「いつの間に!どうなってんだ?」 「みんな僕の思い出の人達だよ。」 「疲れてるのかな?俺は・・・」 女が後ろから、ロミオの首に手を回した。 「だったらゆっくりお休みなさい。ロミオ。」 グキッ! 女がロミオの首を回して、へし折った。 「死にました。」 「君も僕の思い出になる。ロミオ。」 子供が席を立つと、酒場は静まりかえり、誰も居なくなった。 暗くなった酒場を出た子供は、そのまま、次の誰かのところへ、旅立って行った。 おわり。
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