My 20th Valentine

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そして今日は、2018年2月14日。 私の20回目の誕生日。 予定は、レストランのアルバイトのみ。 地下鉄のマイナー駅を降りてすぐの、 隠れ家的個人経営レストランが私の職場。 若いのに何故か店を持っている気まぐれな店長、 子どもの愚痴が多い主婦、バンドやってるフリーター、 まぁ色々いる。 誕生日なんて関係なくて、普通にシフトを入れた私は出勤して驚愕する。 今日はディナーの予約が沢山あるのに、もう一人のバイトがインフルエンザで欠勤していた。 「え?今日ホール一人ですか?マジで?」 私はその事実をキッチンで知り、危うく拭いていたワイングラスを落としそうになった。 「あぁ、マジだ。少し大変だろうけど頑張ってな。」 店長はあまり気にしてないようで、オードブルの盛り付けをしている。 大きなため息をつきながら私はネクタイを締め直し、 外へ看板を出しに行った。 最近東京では珍しく大雪が降った後で、 看板のささやかな飾り付けとなっているライトがいつもよりロマンチックだった。 そうこうしているうちにお客様は次々と来店し、 コートをかける、オーダーをとる、お料理を運ぶ、グラスを下げる、お会計をする… の繰り返しであっという間に5時間が経っていた。 「はぁ~疲れたぁぁぁぁ…」 気絶しそうな私に比べ、店長はまだ元気そうだった。
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