マスターの慕情

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「彼、ああいうキャラなの?」  あたしがチビちゃんに聞くと、チビちゃんは頷いた。 (しかし……締まったいい身体してたわね…………) 「もーマスター!また出てるからっ!」 「もういいわよっ、止まんないわよっ!いいもん見ちゃったんだから、しょうがないでしょう!きっと一生止まんないわよっ!!」あたしは苛々して、つい叫んでしまった………………  彼は向こう向きになり、身体を折り曲げて「無理……」とか言いながら爆笑してるんですけど、もーっ!! 「もういいわよっ……好きなだけ笑いなさいよ! ふん。もうここまで見せたら恐くないわよ。で、あんた達付き合ってるの?付き合ってないの?どうなの?」  あたしが居直って聞くと、笑っていたチビちゃんが急に吃驚した顔になった。 「だから、違うってばーもう!彼は何か変な物から助けてくれたんだってば!!」 「変な物って何よ」 「それは…………」チビちゃんが彼を見たので、あたしも見た。  彼はカウンター席に座り頬杖をついて、あたし達を屈託のない笑顔で眺めていた。ドキンとしたわよ。
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