22人が本棚に入れています
本棚に追加
私が見たものは、暗闇の中で青白く発光した四つ足の何かだった……。やがて、何かは私に向かい大きな大きな口を広げた。
「……!!」
私は危険を察して後退りした…………。しかし、何かは私に今にも飛びかからんとしている!?
「ぃ…ひっ!!」
何かが動いた瞬間、私は恐怖で目を瞑ってしまった…と同時にぐわん!? と横に引っ張られて、自分の身体がしなる感じがした。
(えっ何!?)
あたしの両目の上に冷たい皮手袋をはめた手が被さる。その間も私の身体は走る自動車の上に立たされているような風を受け、運ばれているのが分かった。
しかし視界を閉ざされて何処にいるのか、誰に運ばれているのか分からない…………。
やがて、私を運ぶ誰かは立ち止まった。その時に私はとてもいい匂いがする事に気付き、これはどこかで嗅いだ事がある……と思った。しかし、私を運んだ誰かは急に私を放り出したので私の思考も途切れた。
「わっ…きゃっ!?」
慌てて身体を起こした時には私の傍には誰も居らず、私は自宅の庭にいた。
(何なの、いったい????)
私は慌てて立ち上がり、走って自宅の門から外に出て辺りを見渡すが静かな路地からは何も見えず、何も聞こえてこなかった…………
最初のコメントを投稿しよう!