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「ボートと潜水が必要だ」大人達の話しが聞こえてくる。
俺達が座っていたレジャーシートから湖まで、枯れ葉がなく土が剥き出しになって道のようになっており、凄い力で引き摺られていった事が明らかに解る跡が残っている……。そのようになっている箇所が二つあるのは、きっと前川と森沢がやられた分に違いない。
(鰐? なわけないよな……映画じゃあるまいし)
「ねえ、死んでしまったのかな……二人とも」久美が消え入りそうな声で俺に言ってきた。
「わからない……助かってほしい」俺は大人達が騒いで、行ったり来たりしているのを見ながら言った。
やはり感染地帯に行くのを止めれば良かったんだと後悔しても、今更遅い事は分かっていた………………
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