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呪われた土地
「ねえ、滝。呪い山の噂って知ってる?」同級生で隣の席にいる久美が、授業の合間に俺に聞いてきた。
「あー何か……誰か言ってた。何だったか内容忘れた」俺は頬杖をついたまま、久美に言う。
「あれだよ、ほら封鎖された町の山奥の湖に……コレ、出るらしい」久美は幽霊のポーズをして、言った。
「はーん……あの山か……。まあ、デマだな」
「そうかな?この学校の何人かは見た奴が居るってよ」
「かーっ、悪趣味。何であんな所に行くのか……阿呆だ」
久美はさあねという風に首を傾げた。恐らくコイツも誘われたら遊び半分で、行く。
「今度の日曜日に前川達が肝試し行くって。滝も行く?」久美は少し身を乗り出して言ってきた……嫌な予感がする。
「行くかボケ。全く前川も何を考え…………」
「えー滝も行こうよ。女子も何人か参加するから楽しいかも」久美は俺を見てエヘヘと笑った。
「だったら違う所に皆で行けばいいんじゃねーか」
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