第一章

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一目惚れだった。 笑顔の彼に、私は一瞬で恋に落ちた。 目は彼に釘付けになり、笑顔の彼から目が離せない。 心臓もありえないぐらいドキドキしてて、その時の私は息をするのも忘れていたかもしれない。 それぐらい、私は笑顔の創さんに心を持っていかれていた。 だから、創さんが姉のことを好きだと気づくまでに、そう時間はかからなかった。 創さんの視線の先にはいつも姉の菜摘がいて、姉を見つめる創さんの目は、とても優しい目をしていた。 今考えてみると、私が一目惚れした時の彼の笑顔は、姉の菜摘に向けられているものだった。 創さんは姉のことが好き。 それに気づいた私は、創さんのことを諦めようと思った。 だって… 姉が相手じゃ敵わないもの。 妹の私が言うのもなんだけど、姉の菜摘には欠点がない。 顔のつくりも完璧で、スタイルもモデルなみ。 仕事もできる女で性格もいい。 そんな完璧な姉に、どこにでもいるような普通の女の私が敵うわけがない。 例え姉に彼氏がいようとも、姉を好きになるような人が、どこにでもいるような女を相手にするわけがない。 そう思い諦めようとしたけれど、簡単に諦めることはできなくて、ズルズルと三年間想い続けた後に、玉砕覚悟で告白をした。 (姉のことを好きなままでいいから、私と付き合って欲しい) バレンタインデーの日に手作りチョコをあげながら、無茶苦茶な告白を。 告白を聞いた創さんは、最初かなり驚いていたけど、 (お願いします!お願いします!私と付き合って下さい!) 押せ押せの私に根負けして、姉には内緒という条件付きで付き合うことをOKしてくれた。
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