第一章

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そして彼は、 「愚痴ぐらいなら、聞いてやるぞ」 冷たい目ではない目で私を見て、優しい言葉をかけてくれた。 私から声をかけた時とは、雰囲気が全然違う。 急にどうしたんだろう? フラれてヤケ酒飲んでる私に同情して、そんな言葉を言ってくれたのだろうか? それとも… ただの暇つぶし? まぁ、それならそれでいい… 一人で飲むよりは、二人で飲んだ方が気も紛れるし… それに目の前の男は、私の愚痴を聞いてくれると言ってくれた。 どこの誰だかわからない男。 この場だけの話し相手。 二度と会うことはないであろう彼に、私の愚痴をきいてもらおう。 そう思った私は、彼の隣の椅子へと移動した。
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