第一章

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彼の隣に移動したのはいいけれど、なにから話せばいいのか解らず黙ってしまう。 そんな私に、 「別れた男っていうのは、どんな男なんだ?」 彼の方から話しかけてくれた。 どんな男… 創さんは… 「…笑顔がとても素敵な人です] 彼の笑顔を見た時から、私の恋は始まった。 「…私。…彼の笑顔に一目惚れしちゃったんです」 創さんのあの笑顔を思い出すだけで、今も胸がキュンとなる。 そして… 切なくなる。 「笑顔に一目惚れってことは、彼の見た目に惚れたってことなのか?」 見た目に惚れた… そんな風に思ったことはないけれど… そうなのかな? 見た目に惚れたのかな? でも… 「…笑顔も素敵なんですけど、俺が俺がってしゃしゃり出ないところもいいんです。控えめな感じがいいっていうか…」 昔っから私はテンション高めで自己主張の強い男が苦手。 姉の男友達にはそういう感じの人が多くて、ちょっとしたことでもあーだこーだとか言って変に絡んできたりするから苦手だった。 そういう男友達の中で創さんだけは、私に絡むようなことはしなかった。 控えめで物静かな感じも、私にいい印象を与えた。
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