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うわっ…
微笑んだ…
やはり私は笑顔フェチなのかもしれない。
クールな表情からの微笑み。
ギャップに、胸がキュンとしてしまう。
仁さんが去って行った方へと視線を向けながら、微笑みの余韻に浸る。
余韻に浸って5秒程。
「あっ、食事の支度をしなきゃ」
独り言をいいながら、すぐ食べられるようにと食事の支度を始める。
後はお蕎麦にお出汁をかけるだけのところで、シャワーを浴び終えた仁さんがキッチンに入ってきた。
「待たせたね。何か手伝うことはある?」
手伝うって…
「あのっ…大丈夫です。後はお蕎麦にお出汁をかけるだけなので…」
「そうか、それじゃ早く出汁をかけて、俺が持っていくよ」
「えっ?あっいやあのっ、私が持っていくので仁さんは先に座っててください」
同居しようが婚姻関係を結ぼうが、仁さんと私の本当の関係は社長と平社員。
「ついでに持っていくから、早くかけて」
「私が持っていきます。社長に手伝わせるなんてとんでもないです」
と私が言うと、
「あのさ、俺と君は結婚が決まった恋人同士。そういう設定だよな。普段からそれを意識して行動しないと、他人の目は欺けないよ」
と仁さんが言ってきた。
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