第七章

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そんなことを考えていると、 「…触れ合うといっても、人に見られても大丈夫な範囲でのスキンシップだから安心してくれ」 と仁さんが言ってきた。 あっ… そっか… だから嫌悪感を抱かないんだ… 仁さんは過剰なスキンシップはしない。 そのことを私は知っている。 私のことを女として見てないからかもしれないけど、泥酔したクリスマスイブのあの日もワインを飲みすぎたあの日も、仁さんは私に何もしなかった。 隙あらばどうにかしようっていういやらしさを全く感じないから、私は仁さんに対して嫌悪感を抱かないのかもしれない。 仁さんにはちゃんと理性がある。 それを知っている私は仁さんのことを人として信用していて、だから触れられても嫌だとは思わないのかもしれない。 それと… 触れられてドキドキするのは… ただただ私が男の人に対して免疫がないだけのことで… 触れられることに慣れてしまえば、このドキドキもきっとなくなるに違いない。 参拝客の列に並びながら、今さらどうでもいいような自己分析をする私がいる
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