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あれこれ考えているうちに、繋いでいる手への意識が薄れる。
緊張も和らぎ、周りを見る余裕もでてきた。
キョロキョロ周りを見回す。
とにかく人が多い。
家族連れやカップル、友達同士などなど。
周りを観察しながら視線を左から右斜め前方へと移動した瞬間、
えっ…
嘘っ…
見慣れた顔、数名を発見。
参拝を終えて帰る人達の中に、姉の菜摘と創さんと姉の友人達がいる。
私の視線はそこに釘付けになり、違う緊張が走る。
とにかく隠れなきゃ!
姉達に見つかりたくない私は、仁さんの陰に隠れ俯く。
列の一番右端に並んでいるから、見つかる可能性がある。
どうしよう…
予想もしていない状況に、心臓がバクバクいっている。
落ち着かない私に気付いたのか?
「なに?どうした?」
仁さんが話しかけてくる。
「えっ、あっ…いやあのっ…」
なんて言えばいいのだろうかと思いながらも、仁さんの陰に隠れる。
その努力も虚しく、
「黒瀬さん?」
仁さんが姉の菜摘に見つかった。
そして、
「あっ、菜々」
続いて私も見つかってしまった。
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