第七章

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「菜々達も来てたのね」 笑顔の姉が話しかけてくる。 「あっ、菜々ちゃんだ」 姉の友達も私を見つけ寄ってくる。 姉を含めての男女7人。 その中にはもちろん創さんもいる。 「明けましておめでとうございます」 姉が仁さんに対して新年の挨拶をして、 「明けましておめでとうございます」 仁さんも同じように言葉を返す。 その間、 「菜々ちゃんの隣にいる人、誰?」 「彼氏じゃないの」 「えっ!そうなのか?」 「マジ?」 姉の友達が小声で話しているけれど会話が全て筒抜け。 姉にも聞こえていたみたいで、姉の菜摘は満面の笑顔で、 「菜々の婚約者で黒瀬仁さんよ」 仁さんを私の婚約者だと友達みんなに紹介。 うわぁ… 最悪… 内緒にしておきたい関係が、知り合いにどんどん拡散されていく… って思ってる私の横で仁さんが、 「黒瀬です、よろしく」 落ち着いた口調でそう言い、姉の友達に向かって軽く会釈をする。
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