第七章

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会釈をされた姉の友達は、 「あっ、どうも…」 創さんを除いて、みんな仁さんに対して同じように軽く会釈をする。 意味が解らない… なに睨んでるの? 創さんの視線の先には仁さんがいる。 睨まれてる仁さんを見ると、冷めた目で創さんを見ていた。 私の視線に気づいた仁さんが、私へと視線を移し微笑みかける。 笑顔フェチの私は、冷めた表情からの微笑みに期待を裏切ることなくドキッとする。 ドキッとしたのと同時に、繋いでいた手を仁さんがギュッと握りしめてきた。 まさかのドキドキのダブルパンチ。 心拍数が上昇し、耳も顔も真っ赤になっていくのがわかる。 頬を染める私に気づいた姉は、 「あーっとデートの邪魔しちゃだめよね。それじゃ菜々、私達帰るね。黒瀬さん、私達はこれで失礼します。菜々のこと、これからもよろしくお願いします」 空気を読んでます感満載のニコニコ笑顔で、みんなを連れて帰って行った。
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