第七章

9/16
前へ
/156ページ
次へ
「電話?あの男から電話がかかってきたのか?」 「あっ…」 電話のこと言っちゃった… 話してしまったからには、正直に言わなきゃいけないような気がした私は、 「実は昨日…創さんから電話がかかってきたんです。彼のラインも携帯もブロックしてたので、公衆電話から電話がかかってきて…。でも創さんは姉のことが好きだから、今さらどうして私に関わるのか意味が解らなくて、だから私は(もう二度と私に関わらないで)と言って電話を切ったんですけど…」 昨日の電話のことを正直に話した。 話を聞いた仁さんは、眉間に皺を寄せながら、 「そうか、昨日そういうことがあったのか…」 と言い、 「これからはどんな些細なことでも俺に報告してくれ」 と言ってきた。 そして、 「もうあの男とは関わらないで欲しいけど、できるか?」 と問いかけてきた。 できるもなにも… 創さんに対する想いも、少しづつ薄れてきている。 そして、本気で関わりたくないと、今の私は思っている。 「もう関わりたくないので、創さんには関わりません」 そう私が答えると、仁さんの眉間から皺が消えた。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2821人が本棚に入れています
本棚に追加