第七章

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参拝も終わり、今は帰りの車の中。 車の車種とか全くわからないけど、見た目乗り心地からこの車が高級車だってことぐらいはわかる。 高級車を慣れた感じで運転する仁さん。 その助手席でソワソワ落ち着かない私。 男の人と二人っきりで車に乗るなんてこと今までなかったし、ましてや彼女の特権みたいな助手席に座るなんてことももちろんないわけで、行きの時もそうだったけど帰りの車でもソワソワしてしまう。 気持ちを落ち着かせようと窓の外に視線を移し景色を眺めていると、 「まだ時間も早いし、このまま海までドライブするか?」 海までのドライブに誘われた。 海水浴以外で海なんて行かないし、ここ何年かは海水浴すら行ってない。 「いいんですか?!行きたいです!」 海が見れるってことが、私のテンションを爆上げする。 ソワソワ落ち着かない気持ちなんてどこかへ消え去り、今は海が見れるってことでワクワク気分の方が勝っている。 ウキウキしながら外の景色を眺めていると、 「お腹空いたな。ハンバーガーでも食べるか」 仁さんはそう言いながら、通りにあるハンバーガーショップへとハンドルをきった。 ドライブスルーでそれぞれ好きなハンバーガーとポテトとドリンクのセットを頼み、車は再び海へと向かって走り出す。
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