第七章

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走り出してすぐに、 「ポテト食べたいから、ケチャップつけて」 と仁さんからの要求。 「あっ、はいっ」 慌てて袋の中からポテトを取り出し、ケチャップの入った容器の蓋をあけ、ポテトの先にケチャップをつける。 つけたのはいいけれど、この後どうすればいいのだろうか? 食べさせるべき? それとも手渡しするべき? 悩んでいたら、 「食べさせて」 と言われた。 ケチャップのついたポテトを仁さんの口元へと持っていき、開いた唇の隙間から口の中へと入れる。 口の中へと入れたポテトを仁さんが食べる。 それを見て、また一つポテトを取りだしケチャップをつけ、仁さんの口の中へ。 本物の彼氏彼女じゃないけど、食べさせてあげるっていうこのシチュエーションがなんだかくすぐったくて妙な気分になる。 そんなことを思いながら、また一つまた一つとポテトにケチャップをつけ仁さんの口の中へ。 すると、 「ちょちょっと、もうこれ以上は…」 気づけば、仁さんの口の中がポテトだらけに。 「あっ、すっすみません」 入れすぎちゃった… 次のポテトを取ろうとしていた手を止めると、 「冷めると美味しくないから、君も食べたら」 と仁さんが言ってきた。 「…それじゃ…頂きます」 ポテトを一つ取りケチャップをつけ口の中へ。 美味しい… 揚げたてのポテトは美味しくて、また一つケチャップをつけ口の中へ。 二つ目を口にした後、仁さんにもポテトをあげる。 自分も食べながら仁さんにもあげていく。
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