第七章

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「気分が悪かったら遠慮せずに言えよ。車止めて休憩してもいいんだから」 「ホントに大丈夫です。私、車酔いはしないので」 「そうか、ならよかった。俯いているから、気分でも悪いのかと思ったよ」 創さんのことを考えていたなんて言えるわけもなく、 「心配かけてすみません。ただボーッとしてただけなので…」 ボーッとしていたことにする。 それにしても、仁さんは優しいな… 彼女でもない私に対してここまで気遣えるなんて… っていうか… 本物の彼女だと思って接してるから、ここまで気遣ってくれるのだろうか? 仁さんに想われて彼女になる人がホントに羨ましい… 彼女になれる人は、きっと幸せだろうな… 私にもいつかできるかな? こんな感じで優しく気遣ってくれるような彼氏が… (もう恋はしない) (恋愛なんてくそくらえ) そう思っていた私だけど、仁さんのように彼女としてちゃんと扱ってくれる男性がもしかしたら私にも現れるかもしれないと、ちょっとだけ期待する私がいる。
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