第一章

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それにしても不思議な人だったな… 冷めた感じで近づきがたいオーラを放ってるのに、見た目とは違って面倒見がよかったっていうかなんというか… 走り去っていくタクシーを見送りながらそんなことを思っていると、タクシーが角を曲がり見えなくなった。 (フゥ)って感じで息を吐きだした私は、 「……さてと…帰ろうかな…」 自分自身に言い聞かせるように、小さな声で呟く。 今の時間は十時半。 さすがにもういないよね… 姉の友達はみんな帰っているはず。 そう思いながら、家に向かって歩き出す。 でもその足取りは重い。 とぼとぼ歩いて十五分。 家に辿り着いた私は、玄関のドアを開けた。
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