第一章

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家の中に入った私は、足音を立てないようにしながら二階にある自分の部屋へと向かう。 朝帰りしたこともそうだけど、今は誰にも会いたくない。 そう思い急ぎ足で廊下を歩く私を、 「菜々ちゃん」 聞きなれた声が背後から呼び止めた。 私の動きがピタッと止まる。 うそっ… なんでまだいるの… 今一番会いたくない人。 創さんが、 「…菜々ちゃん、昨日は…」 私に話かけてくる。 今のこの状況だけでも最悪なのに、 「…どうしたの創君?そんなとこで突っ立って…ってあれ?菜々?あんたもしかして今帰ってきたの?」 二番目に会いたくない姉まで現れ、話しかけてくる。 ホントにもう… やだ… これ以上ないってぐらいに最悪だ。
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