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化粧も崩れてるだろうし、二日酔いで気分も悪い。
だから、かなり酷い顔をしているはず。
こんな顔で、二人にご対面するなんて…
そう思っているけれど、姉を無視するわけにもいかない私は、創さんと姉の方に振り返り、
「…うん、そう。…気づいたら朝になってて、今になっちゃった」
姉だけを見て、姉に言葉を返す。
私のその言葉を、姉はどんな風に受け取ったのか?
「気づいたら朝になっててって…あっ…余計な詮索はしないでおくね」
姉はそう言うと(フフッ)と嬉しそうに笑い、
「…大丈夫、大丈夫。菜々も、そういうお年頃だものね…」
(そうかそうか)的な目で私を見ている。
大丈夫って…
なにが大丈夫なんだろうか?
確かに男と一夜を過ごしたけれど、姉の思っているような(そういうお年頃)的な過ごし方はしていない。
姉は勘違いしている。
そう思いはしたけれど、今の私には否定する気力もない。
それに…
目は合ってないけど、創さんが私をジッと見ているのがわかるから、居たたまれない。
「…私、二日酔いで気分悪いから、部屋で休んどくね」
早くこの場から逃げ出したい。
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