第一章

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クリスマスイブ当日。 『菜々ちゃんごめん。…俺と別れて欲しい』 創(はじめ)さんから、別れを告げられた。 やっぱりそうきたか… なんとなく予感はしていた。 姉の菜摘(なつみ)が、付き合ってた彼氏と別れたって聞いた時から、こうなるんじゃないかって。 でもまさか… ホントにそうなるとは… 創さんには、 (姉のことを好きなままでいいから、私と付き合って欲しい) 無茶苦茶な告白をして彼女にしてもらった。 だから… この状況で別れて欲しいとお願いされた私には、 「…わかった」 これ以外に言う言葉がない。 『…菜々ちゃん。…ホントごめんな』 申し訳なさそうな声が、携帯越しに聞こえてくる。 雪が降って寒いせいなのか? それとも別れを告げられたことが、あまりにもショックだったからなのか? 携帯を持つ手が震える。 創さんに恋して三年。 彼女になって十ヶ月と十日。 私の恋は、電話一本で終わった。
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