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クリスマスイブ当日。
『菜々ちゃんごめん。…俺と別れて欲しい』
創(はじめ)さんから、別れを告げられた。
やっぱりそうきたか…
なんとなく予感はしていた。
姉の菜摘(なつみ)が、付き合ってた彼氏と別れたって聞いた時から、こうなるんじゃないかって。
でもまさか…
ホントにそうなるとは…
創さんには、
(姉のことを好きなままでいいから、私と付き合って欲しい)
無茶苦茶な告白をして彼女にしてもらった。
だから…
この状況で別れて欲しいとお願いされた私には、
「…わかった」
これ以外に言う言葉がない。
『…菜々ちゃん。…ホントごめんな』
申し訳なさそうな声が、携帯越しに聞こえてくる。
雪が降って寒いせいなのか?
それとも別れを告げられたことが、あまりにもショックだったからなのか?
携帯を持つ手が震える。
創さんに恋して三年。
彼女になって十ヶ月と十日。
私の恋は、電話一本で終わった。
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