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夜景が見渡せるお洒落なバー。
ホテルの最上階にあるそのバーで、創さんと一緒にイブの夜を楽しく過ごす予定だった。
夜景を見ながらお酒を飲み、楽しく語らう。
いい感じに酔って、甘い雰囲気になり、心も身体も燃え上がる。
そんな風になるよう、頑張るつもりでいたのに…
その予定だったのに…
予定は予定で、決定にはならなかった。
その結果、一緒に飲むはずだったそのバーで、私は一人お酒を飲むことに。
「…すみません…同じものをもう一杯下さい」
カウンター席に座っている私は、カウンターの中にいるバーテンダーに、アルコール度数高めのカクテル”ロングアイランド・アイスティー”三杯目を注文する。
忘れたい…
創さんのことなんか、飲んで忘れたい。
そう思うのに…
ここ何年も私の心を支配していた創さんのことを、そう簡単には忘れられないみたいで、
微笑む彼の顔が何度も脳裏をよぎり、涙腺を刺激する。
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