2824人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
付き合っていることを姉には内緒。
そのことが引っ掛かりはした。
だけど…
(姉のことを好きなままでいいから、私と付き合って欲しい)
と言ってお願いしたのは私だから、そういう条件で付き合うのも仕方がないことなのかと、
そう思い納得もしたけれど、私は心のどこかで期待していたのかもしれない。
彼女になって創さんとの距離を縮めていければ、私のことも気にかけてくれて、そして好きになってくれるんじゃないかって…
でも…
そんなことはなかった。
姉が彼氏と別れた途端、私は創さんにフラれた。
「ッ…」
泣くのを我慢しているせいか?
目の奥の方にツンとした痛みが走る。
涙を流せば痛みも和らぐのかもしれないけれど、イブの夜を満喫しているカップルだらけのこの場所では、惨めになるから涙は流せない。
泣くのをグッと我慢して、カクテルを口の中へと流し込む。
ゴクリと飲んだ後、
「ふぅ…」
一息ついた私の隣から、
トゥルル…トゥルル…
携帯の着信音が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!