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世の中に蔓延する『誤った情報』を発信し終えた少女は、世の中どうなってんのよ!と云った表情で頬杖を付き、溜息交じりにパクリとまたデコポンを頬張った。
まあね、それはそれとして引っかかった男も女も年齢は様々だけど、まあ、そんな連中はそのうちプクプク太って貰って〝人間炬燵〟になってもらう予定だからいいんだけどね♪
彼女の目線の先には、十人の男女が〝ピザ人間〟や冬限定〝炬燵人間〟予定者になって鉄柱にくくられて蠢いている。
でもね、『依頼者』が喜んでくれて大金くれるんならあたしは文句言わないんだけどさ。でもあれよあれ、止血のやり方や皮の捌き方、それに痛さを感じさせない催眠術の仕方何て覚えちゃってさ、あたしいったい何者なのって思っちゃうのよね。
でもまあ、すっごい大金が手に入るからやるんだけどね。それにね、大したこともできなかったのに、あんまりな境遇と恐怖に引きつる〝人間〟の姿も見れるし可笑しいからもあるんだけどね♪
カン☆コーン♪♪
あらあら、おしゃべりしてたら時間だわ。『依頼人』が来ちゃったじゃない。
ぷっくり頬を膨らませた少女は、ちょっと待ってね。と鉄扉の向こう側に声を掛け、そそくさと今は懐かしいドテラを羽織りブーツにちいさな足を通す。
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