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「ただいまぁ」
「あら、お帰り」
リビングの扉から少しだけ顔を覗かせて、お母さんはまた、リビングに引っ込んだ。
靴を脱いでいると、バタバタする足音と、リビングからお母さんの声がする
「柚葉、制服取って来たから着て見せて」
「え、本当に?」
私は脱ぎかけの靴を素早く脱ぎ捨てて、リビングに急いだ
リビングに駆け込むと、真新しい制服がハンガーに掛けてあるのが目に入った。
「わぁ...」
さっきまでの沈んだ心が小さくなって、口角が上がる
「お母さんはセーラーの方が好みなんだけどなぁ」
「セーラーは、もう3年間着たじゃない」
そう返しながら、パリパリしたブレザーの上着を手に取った
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