どうしたんだろう、俺

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その日は朝からソワソワして落ち着かなかった。 教室に着いて周りを見渡し ホッと安心して座る。 しかし次の瞬間… ガラッと開けられたドア 彼女が入ってきた。 俺には眩しくて見えない。 彼女の笑顔がこちらを向いた。 俺は即座に体をくるっと後ろに向け おもむろに顔を隠した。 彼女とは3年で初めて同じクラスになった。 友人の幼馴染だった彼女とは すぐに打ち解け あだ名でからかったり 彼女のくねくねした動作を真似て 怒らせてみたり すごく楽しい時間だった。 数ヶ月前、告白は俺からした。 大きな瞳を細め くしゃくしゃにした笑顔で 「うん」と可愛く頷いてくれたんだ。 冬の祭りにも行った。 手袋越しだが手を繋いだ。 彼女がふーっと吐く白い息。 彼女のさらに赤く染まったりんごホッペ。 目に焼き付いて離れない。 しかし最近の俺はおかしい。 あれだけじゃれ合っていた仲だったのに 付き合いはじめてから どんどん彼女をまともに見られなくなっている。 彼女と目が合うだけで 脈が早くなり気が遠くなるほどに クラクラしてしまう。 だからからかうどころか 話すことすら できるわけがないんだ。 そんな事を考えていたら 放課後になっていた。
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