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「そう? よかった。俺も一人で飲みたくて来たんだけど、やっぱり人恋しくなって隣に座らせてもらいました」
……少し変わった人なのか?
気さくといっていいのか、屈託なく話しかけてくる態度はでも嫌な感じはない。
自分の空気に巻き込むのがうまそうな人だな、っていう印象を受けた。
ジントニックを飲んで、たまにはこういう出会いもいいかと会話を続けることにした。
「俺も一人で来たんですけど、俺でよければ話相手になりますよ」
「本当? 悪いね、気を使わせたみたいで」
「いいえ」
素直に嬉しそうに笑顔を向けられて俺もつられて笑顔になる。
それが俺と――片瀬智紀さんとの出会いだった。
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