泣き虫

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日程を聞く前に私は逃げ出した。 理不尽に友人を怒鳴りつけて。 あれからもう季節は何回めぐっただろう。 連絡がつくこともなく、偶然出会うこともなく。 それでも幼い記憶は、春が来る度に思い出す。 今なら仕方ないと笑えるかもしれない。 日程を聞いて、お別れも出来たかもしれない。 連絡先だって聞けたかもしれない。 だけど、幼い私は傷が深かったらしく私は人を寄せつけない子どもになっていた。 外面は取り繕っているものの、みんなと1線はあって、それを踏み越えてくる人もいない。 「もう、今更だなぁ…いつまでも立ち直れないのも情けないや」 わかってはいても、折り合いはつききらなくて、また涙がこぼれた。
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