10人が本棚に入れています
本棚に追加
気づけば家の目の前で、泣いた後は消えていた。
家に灯りはまだついていない。
薄暗い外ではちかちか街灯が灯っているのに。
鍵を開けてただいまと声を出す。
もちろん返事はない。
なんとなく灯りをつけるのが嫌でそのまま自分の部屋に向かう。
荷物をおろしてベッドに寝転がる。
段々暗闇にも慣れてきて、外の明かりで十分部屋がわかるようになってきた。
少し目を瞑って、今日の反省をする。
だけどやっぱり友人がいなくなったことに関して、その保護者であるところの大人が許せなくて。
あの日、春休み半ば、友人に呼び出されて、告げられた残酷な事実。
それは、もう変更のきかないことだった。
最初のコメントを投稿しよう!