【1】今年もまた

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「おはよう。」 少し眠たそうに、お兄ちゃんが目をこすりながら、二階から降りてきた。 (ん? もしかして、アレって……。) お兄ちゃんの片手には、何やら見覚えのある箱が。 「あっ、そうだ。奈々、これ美味しかったよ。ありがとな。」 満面の笑みで、空になった四角い箱を、私に見せるお兄ちゃん。 「拓海……。それは、奈々の本命チョコよ?」 「えっ、そうなのか? お前、好きな男(やつ)いるんだ?」 「お……お兄ちゃんには関係ないでしょ!?」
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