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『わたしがやってあげるから、じっとしててよ!』
私の思考が停止する。
言葉を放ったのは、ミラベルだ。
だが、己の鼓膜を揺らし、脳内に響く声は全くの別人。
ここにはいない過去の人物のものだった。
懐かしい記憶の断片があふれ出て、見えもしない光景が、物が、人が、視界の中に移りこむ。
男がつけると思えない、青いサテンのリボン。
ツインテールの巻き毛の少女、のような容姿の女性。
教室。
運動場。
そして大きく立派な門。
その横に掲げられたプレートにはフォディーナ学院と刻まれていた。
私は無意識に笑い声を上げた。
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