本編

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「げにそうか。 (ぬし)は好きな者はいじめるたちか」 「条理(じょうり)は分かった。 余儀(よぎ)ない。 そう言う趣向(しゅこう)か!」 幼女は一人納得(なっとく)したように二度(うなづ)くと、 何か考えこむ。 「フッフッフ」 俺の口から込み上げる笑いがもれた。 面白い。そうくるか。 段々(だんだん)この幼女の反応が面白くなってきた。 この希少変異種(きしょうへんいしゅ)は、バイオスフィア《生存圏》を 越えた所で生き残った者の、最終進化系なのかも 知れない。 ふっ笑止(しょうし)。 なめるなよ。 それなら大人の流儀(りゅうぎ)を見せてやる。 不衛生(ふえいせい)なボッチ生活で(つちか)われた力を見るがよい。 (すで)に俺はゲーム内で様々(さまざま)な女性と付き合い、 予習に抜かりはない。 神はブラウン管の向こうに存在する。 その神託(しんたく)を聞き取り、俺は彼女に優しく告げた。 「そうだな君、いや其許(そこもと)はとても可憐(かれん)で美しいな。 まるで月に住まう、かぐや姫のごとき眩白(げんぱく)()ちている」 それは古来、恋愛の神クピッドが使ったと言われる秘技。        ー絶対恋慕(れんぼ)ー それはどんな者でも夢現実の世界に誘い、 まともな思考回路を失わせる禁断の奥義。 さっそく彼女は夢見る乙女の仕草(しぐさ)で、 思惟(しゆい)し始めた。 どうだこれが大人の包容力(ほうようりょく)だ。 そこには張りぼての知識を誇示(こじ)する童貞がいた。 「()な事を。 むつかし事を言いよる。 つまり其許(そこもと)のおかしな日本語を有体(ありてい)要約(ようやく)すると・・・ かんが見るに・・・ (ぬし)変質的思考(へんしつてきしこう)の持ち主。 つまり、え~と、今の言葉で、 そうだ!ロリコンだったか!」 だぁ━━━━━━!! 俺はたまらず頭を()きむしった。 「お前が言うな!」 ハァハァハァ 俺は息を荒げ深呼吸した。 新鮮(しんせん)な空気。 新鮮(しんせん)な空気。 ここは冷静になって、状況を考察(こうさつ)してみよう。           ー2ー
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