本編

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絶滅危惧種(きぐしゅ)に指定されたその少女を前に、 固唾(かたず)を飲む。 彼女は突然じゃんけんのグゥの形をつくり 振り上げると、天に向かい突き出した。 なにせ電波人のする事。 いちいち意味を求めても仕方ない。 そんな風に傍観(ぼうかん)していると、幼女はそのまま 振り上げた(こぶし)を俺の額に降り下ろした。 金槌(かなづち)の様に頭に打ち付けられた拳に、火花が散る。 「痛ってぇ~!?」 俺は頭を抱えその場にうずくまるはめになった。 「いきなり何するんだ! このロリビッチがー!」 俺の心のリミッターは(はず)れ、普段口(ふだんくち)にする事の無い悪態(あくたい)をついていた。 「ぬし今、不遜(ふそん)な事を考えておったじゃろう! なんか気栓(きせん)()れた(ムカついた)から殴った」 彼女の理不尽な言い分に、俺のアドレナリンは はねあがる。 「ふざけるな! ビッチ、ビッチ、チビ!」 「そう忌諱(きき)(嫌って避ける)するでない」 「俺は、いや俺の・・・ とにかく貴様(きさま)! 何様か知らんが、大人をなめるなよ」 「そう(たかぶ)るでない。 忌諱(きい)に触れたのか? (嫌な事を言われ機嫌を(そこ)ねたのか?) ()(ざま)に言いおって。 粗忽(そこつ)な事を申すな。 まことそもじのおつむ(脳)は、 理解の(わく)を超えておるのぅ」 「いやそもそも会話が()り立つと思った(わらわ)(あやま)ちか」 何故(なぜ)か幼女は、説教モードに移行(いこう)する。 「なんで俺が・・・ 」 文句(もんく)一括(いっかつ)する様に幼女は、静かな怒気(どき)を発した。 「良いから座れ」 俺は何故(なぜ)か幼女の言うままに正座して、 幼女の説教を受けるはめになったのであった。 「有漏路(うろじ)(迷いの世界)に(まど)う子羊よ。 そもそも(ぬし)論法(ろんぼう)でいけば、歳上(としうえ)をなめるなと。 ならば(わらわ)先度(せんど)申したとおり、1000歳以上。 (ぬし)より歳上になる訳じゃ。 言祝(ことほ)げ(喜び祝いの言葉を()べよ)とまでは(もう)さぬが、それなりに敬意(けいい)(しめ)したらどうじゃ。 そもそも、そなたが言い出した(げん)なのじゃぞ」
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