煩悩経《ぼんのうきょう》

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次の瞬間、強張(こわば)った幼女の体は呆気(あっけ)なく俺の寝室のベッドの上で押し倒されていた。 防衛反応(ぼうえいはんのう)で固まった幼い体は、()(にえ)の羊の様にベッドの上でその肢体(したい)を広げ投げ出し晒す。 その姿に稚拙(ちせつ)な裸体の表象(ひょうそう)が重なった。 情報を符号化するニューロンが、 急速に書き換えられるのを感じた。 あられもない姿を晒す幼体が、 目蓋(まぶた)の奥に艶麗(えんれい)に焼き付いた。 動体検知(どうたいけんち)生体走査(せいたいそうさ)。 スキャニング完了。 幼女の矜持(きょうじ)は全て(さら)され、俺に視姦(しかん)され尽くして いた。 侵犯(しんぱん)の日はきた。 まさに今この日この時幼虫から羽化(うか)し変態を()げた変態による、変態の編隊行動から、幼女の肢体(したい)が、禁忌(きんき)の領域を変体されようとしていた。 侵犯(しんぱん)の日、彼女は何を思い、何を願うのだろう。 瞑目(めいもく)し閉じられた目蓋(まぶた)から一筋(ひとすじ)の涙が(こぼ)れ落ちる。 俺は強張った幼女の背にそっと手をまわし、 その体を抱きしめていた。 人形のように固まった体から伝わる温もりが、 その鼓動(こどう)が俺の深奥(しんおう)に流れ込んで来るのを感じた。 俺は彼女をリラックスさせるべく、 その(ひたい)に軽くキスした。 「うっ」 口元(くちもと)から、(わず)かに漏れ出る甘い声。 彼女は(うかが)う様に薄く目蓋(まぶた)を開き、 こちらを仰ぎ見て(ささや)いた。 「(よそ)る(自然に引き寄せられる)な。 (あくが)らす(心を浮き立たせ、さ迷わせる)つもりか」 俺はそんな彼女に、優しい言葉を囁いた。
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