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脳内にリテンション《保持》されたデータベースに
アクセスするがこの状況を表す言葉は見つからない。
いや理解不能。 思考停止。
バグ発生の、三大トライアングルに陥っている
真っ最中だったりする。
俺の名は菊池和輝。
花の16才。
俺は菊池和輝。
童貞16の春。
俺は菊池和輝。
シスコん歴10年。
俺は菊池和輝。
齢16にして、夢を卒業し現実を見据える
未来ある若人。
俺は菊池和輝。
俺は菊池和輝・・・
「やよ、そこな衆。
先達って何を繰り事を申しておるのじゃ?」
変なコスプレした幼女が、
俺のベッドを不当に占拠し、
これまた変な日本語で俺に囁く。
人に死があるように、言葉にも死がある。
死語の世界。
忘却の彼方に旅だった言の葉たちの墓場。
そんな死語の世界から囁かれた声に、
体が死語硬直する。
幻覚、幻影、空音の類いに違いない。
「さては其許俗諺に聞く、
スカトロじゃなかった・・・
ストーカーとか言う輩か?」
不法侵入した幼女が、異世界の言語をつむぐ。
「お前が言うなー!」
思わず幻影に答えて、自分の症状の深刻さを再確認する。
「なんじゃお主。やたら狂暴じゃが。
発情と言うやつかえ?」
変に古びた口ぶりで、変に大人びた言葉を話す
この生物。
この珍語を喋る幼女はなんぞや。
未知の新種と思えるが、どんなに観察してもやはり幼女にしか見えない。
銀髪にスカイブルーの瞳、和服にチビと
変にカスタマイズされてはいるがやはり幼女だ。
和装の貴婦人ならぬ「わっ!そう」のちんちくりんだ。
可愛さはあるが大人の魅力は皆無のまな板幼女だ。
幼女だ。
妖女だ!
幼女だ!?
「いや冷静になれ俺。中二病は卒業した筈だ」
多分・・・
ー1ー
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