禍神

煩悩経《ぼんのうきょう》

「煩悩(ぼんのう)退散(たいさん)。破邪顕正(はじゃけんしょう)。
御南無退散(おんなむたいさん)。
オンベイシラ・マンダラヤ・ソワカ・・・」

気付けば俺は、煩悩(ぼんのう)の全てを祓(はら)うべく、
考えつく限りのお経(きょう)もどきを唱(とな)え始めていた。

煩悩経(ぼんのうきょう)を。

「禁(きん)欲(よく)情(じょう)愛(あい)欲(よく)情(じょう)熱(ねつ)情(じょう)愛(あい)欲(よく)悦(えつ)楽(らく)。
羞(しゅう)恥(ち)辱(じょく)肉(にく)悦(えつ)楽(らく)園(えん)児(じ)童(どう)姦(かん)淫(いん)微(び)熱(ねつ)情(じょう)愛(あい)情(じょう)熱(ねつ)狂(きょう)
姦(かん)淫(いん)欲(よく)悦(えつ)楽(らく)園(えん)児(じ)童(どう)貞(てい)操(そう)。

羞恥辱(しゅうちじょく)悦楽楽園児童姦淫微熱狂乱交接合成因果実情接合成因子種畜肉悦欲望熱狂悦楽園児童女体感動拍動」

煩悩(ぼんのう)を撒(ま)き散らす執行人(しっこうにん)の矜持(きょうじ)を前に、
頭の中を這(は)いずる虫を１つ１つ潰(つぶ)す様(よう)に、
煩悩(ぼんのう)を潰(つぶ)してゆく。

「そなた瞑目(めいもく)して何を呟(つぶ)いておる？
吾有事(わがうじ)にでも目覚めたか？」