第2章 Never judge by appearances

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 落書き事件後、彼女にリベンジする方法を模索し続けたが、結局何も良い案が浮かばず、当初の予定通り、彼女には極力関わらないという方針でやっている。  そして、涼川美麗からのお昼の誘いを断ったあの日に繋がるのだが...。 「西条のやつ、また涼川さんの誘い断ったらしいぜ」 「ホントあいつ勿体ないよな、涼川さんからのお誘いだというのに」 「見る目がねぇんだよ西条は」  最後のは聞き捨てならないが、ともかく俺とあの女の噂がこれ以上広がるのは困る。 このような状況にそもそも何故追い込まれてしまったのか、話の最中に逃げたのがそこまで悪かったのだろうか。謝って済めばそれでいいんだけどな。 「考えたって無駄か」 「無駄って何が?」  あれ声に出てた...? 「え、あ、いやー今日のお昼は何だろなぁって、アハハ」 「ふーん、西条くんって案外可愛いんだね」 「......か、かわいい?!」 (おい待て、そんな笑顔で俺に微笑むな。むしろお前の方が可愛いぞ、若瀬)  先程から自分でも何を言って、何を考えているのか分からなくなっていた。もう末期かもしれん。じいちゃん、俺もうすぐ会いに行くから(泣) 「そうだ西条くん、太刀川先生が呼んでたよ。職員室に来るようにって」 「俺また何か悪いことしたか!?」 「またって?」 「...いや、こっちの話だ。気にしないでくれ...」  今日は本当に不幸が重なる。今朝見た運勢占い最下位は当たりかもな。番組宛に礼状でも出してやりたい気分だ、コンチクショー。  グダグダ言っても仕方がないので、俺は職員室(せんじょう)へと向かうことにした。 -やれやれ
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