第2章 Never judge by appearances

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「......し、失礼します」  恐る恐る職員室の扉を開け、俺は太刀川のいる席へと向かった。  この学校に転入してからあまり経っていないのもあるが、初めての職員室ということで、かなり緊張している。いつ、どこの学校に来ても職員室は一生好きになれる気がしない。 「あ、あの西条ですが......」 「...ん?あぁ、西条か。お前に少し用があってな」  俺、何か悪い事したっけな...。あと、この教師苦手なんだよな...。昔から鬼教師として知られているらしく、担任のハズレくじ役としても有名だそうだ。 「お前、今何か部活に所属してるか?」 「......部活ですか?所属してませんけど」 「委員会は?」 「......いいえ」 「そうか、なら丁度いい」  何が丁度いいのやら。こういう場合絶対と言っていいほど面倒な要件を突きつけられると、俺の経験談がそう語る。 「今日の放課後に生徒会の集まりがあってだな、クラス代表の堀内が休みだろ?あいつの代わりに出席してもらいたいんだよ」 「は、はあ...」  堀内って確か涼川美麗に断られて引きこもり中の奴だっけ?そんなに偉いポジションにいたのかアイツ。それにしても... 「な、なんで俺なんすか?」 「いや、もともとお前には違う要件で来てもらったんだが、丁度その事を思い出してだな」 ―マジで最悪だ。 「要件と言っても大したことじゃねぇんだが、 今月中に残りの転入手続きの作業を片付けておいてくれ。伸ばすと後々面倒だから」 「は、はい......」 「じゃあ生徒会宜しくな」  そう言って太刀川は、教材を持って職員室をあとにした。 「俺まだOK出してないんですけど......」
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