第1章 No sweet without sweat

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 本日の全てのメニューを終え、どこか行く宛も無い俺は即帰宅する事にした。行きに見つけたラーメン屋かカラオケにでも入って暇を潰そう。  そして、正面玄関で靴を履き替え、学校を出ようとしたのだが... (あそこに見えるのは...間違いない、黒薔薇のプリンセスと側付きの雪菜だ)  2人は校門前で何か話をしているご様子。何を話しているかなんて、俺には知ったこっちゃないのだが。  彼女達の視界になるべく入らないよう、こっそり隣を通過することにした。まさか朝の事件現場でまた遭遇するとはな。 「あ、涼川さんだ。相変わらずお美しい...」 「ホントだ、こっち向いてくれないかな」  ここの学校の生徒は男女問わず皆コイツの事が好きなのか?この性格と知っておいて?  俺が間違っているのか、それとも周りの連中がイかれているのか、俺にはもう分からなかった。 (涼川美麗っていうのか。初めて覚えた生徒の名前が彼女というのもなんだかな...)  そして、そのまま校門を過ぎ去ろうとしたのだが、何か視線を感じる。一体どこから。  俺はキョロキョロと辺り一帯を見渡す。 -あいつか  視線の主は眼鏡をかけた男子生徒。彼の手にはスマホがあり、明らかにカメラを構えている姿勢だ。 -まさか......盗撮!!
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