◇二章 雨降って夫婦はじまる

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藤木さんは立ち上がると、すぐさまウィンドブレーカーをはおった。 出かける? どこに? 私たち、問題ありありでしょう? 「雨、けっこう激しく降っていますよ」 「平気です」 心配したところで、とりつくしまもない。 そっぽを向いたまま、藤木さんは部屋を出ていった。なんて、頑固なんだ。 悔しくて、閉じられたドアから視線が外せなくなる。 寒々しくなった部屋で一人になると、みるみる気持ちが沈んでいった。 力が抜けてしまい、サボテンや観葉植物が並ぶ、ほっこりゾーンの前に座り込んでしまう。 「あなたたちのご主人様ひどすぎない?」 サボテンに愚痴ったところでどうしようもないのだけれど。隣のモンステラの葉までも、しょげているように垂れていて、つられて泣きそうになった。
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