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ふと少女が目を覚ましたのはベッドの上だった。
ベッドと分厚い本が数冊積まれた机が配置されているだけの殺風景な部屋の中。
少女は「ウィリー」と掠れた声で呟いた。
「・・・ここにいる」
思いのほか至近距離から聞こえた声に、おもむろに視線だけ動かすと、
その先にはベッドの横に配置された椅子に腰掛けている青年の姿。
つり目がちなエメラルド色の瞳に癖毛な金髪。
少女にとって懐かしさを感じる声。
少女にウィリーと呼ばれたその青年は、
湯上りでうっすらと湯気の立つ髪を、
タオルでわしゃわしゃと拭いていた。
彼の着ているシャツは、
袖口が肘まで折り上げられ胸元のボタンはほとんどかかっていない。
髪を拭く手を動かす度に、
シャツの下から彼の肌が見え隠れしている。
「なぁ、お前は_」
何か言いたげに口を開いたウィリーだったが、
躊躇してその先の言葉を濁した。
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