死月ロワイヤル

6/7
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
『素晴らしい』 ぴのきおが感嘆の声を漏らした。 『なるほどね。だけど、真司くんが2番を選んだ理由は本当にそれだけかい?まだ何かあると思ったんだけどねぇ』 「あとは普通に2番の内容が嘘臭いと思っただけだ」 『あれれ?一応、三つとも当たり障りのない問題を用意したはずなんだけど、なんで分かったんだ?』 思った通りの反応だった。ぴのきおは悔しそうに頭を抱えている。 「理由は二つある。一つは俺がここに連れてこられるとき、ぴのきおは俺の名前を呼んで『ミーツッケタ』と言っていた。もしも、ぴのきおの言うとおり、ゲーム参加者を本当に無作為に選んでたなら、見つけたなんて言い方はしない」 ぴのきおはしばし沈黙して『二つ目の理由は?』と問う。 真司は挑発的な笑みを作ると、きょとんとしているぴのきおに引導を渡してやる。 「一つ目と三つ目に比べて、二つ目の情報はやけに口数が多いと思っただけさ」 『……それだけ?』 「自分でも気づいてないのか?ほら、昔からよく言うだろ?嘘つきはよく喋るってな」 ぴのきおが再び沈黙する。そして、けたたましい笑い声が洞窟内に反響した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!