死月ロワイヤル

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『キミは本当に面白い。やはりボクの選んだ人選は正しかった!』 「じゃあ、やっぱり俺達はここに集められるべくして集められたってことだな?」 真司が確信を持って問いかけると、ぴのきおはもはや包み隠さなかった。 『そうさ。キミ達は選ばれた人間なんだ!ミステリ小説で言う、ミッシングリンクってやつさ。キミ達はみんな、お互いのことを初対面だと思ってるけど、実はキミ達は過去にすでに会ってるんだヨ!』 ついに明かされた衝撃の真実。プレイヤーはお互いの顔を見合わせながら、言葉を失っている。 『今回のゲームでプレイヤーは半分以上は死んだ。ボクの悲願である、嘘のない平和な世界まであともう少し!キミ達はその礎となるんだ!光栄に思うがいい!』 冗談じゃない、と真司は拳を握りしめる。そして、三年前の忌まわしい記憶を思い返した。 美代奈は中学の頃、実の父親から裏切られたことがある。酒とギャンブルで多額の借金を作っていた父親が、人身売買を生業としている組織に美代奈を売ろうとしたのだ。 結局、その目論みは失敗に終わったが、そのことを知った美代奈は長い間、鬱ぎこんでいた。学校も来なくなり、自殺未遂を何度も繰り返した。今の美代奈があるのは真司が献身的に彼女を支えたからである。 美代奈の父親は今も行方を眩ませている。そして、あいつがこの世にいる限り、美代奈は苦しみ続ける。だからこそ、真司は決めた。美代奈が味わった絶望を、あいつにも味わわせてやると。これは復讐だ! 『さあ、これより最高のエンターテインメントショーが始まる!その名も――』 そのためにも、あんなウイルスでこの世界を平和にさせてたまるか! 『死月ロワイヤル!』
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