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近くにいたウェイターが近付いてきたが、
彼は丁寧に断ってデザートを持ってくるように頼んだ。
「サクラさんにこんな話をするのは間違っているかもしれないけど、
僕は彼女のことがまだ忘れられないみたいだ。
もちろん、
サクラさんは素敵な人だし一緒にいて楽しい。
でも、
違うんだ。
これはサクラさんじゃなくて僕の問題なんだよ」
その言葉にはっとした。
この人は、
私と同じだ。
過去の恋人や好きな人に縛られている。
「だから、
会うのは今日で終わりにしよう。
勝手でごめん」
彼はそう言って頭を下げた。
「私も同じです。
忘れられない人がいます」
気が付くと、
私は彼の手を取っていた。
森村さんは驚いた表情で私を見ている。
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