第二章 ハル

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俺は扉に付けられたポストから水道代の請求書や郵便を取り出し、 リビングへと向かおうした。 そのとき、 その束の中にしっかりした厚紙の封筒に入れられた手紙が目に入った。 こういった封筒は何度か見たことがある。 年に数回、 忘れた頃に送られてくるあれである。 また、 来たか。 二八歳にもなれば何度か経験してはいるが、 この名前を見る瞬間はどうも慣れない。 俺は恐る恐る封筒を開けた。 『拝啓 仲秋の候 皆様にはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。 このたび 私たちは結婚式を挙げることとなりました。  つきましては…  島田 トモキ  山下 雪乃  日時 20〇〇年 ○月○日…』     
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